院長インタビューInterview

院長インタビュー

院長 藤田義典

私自身、歯医者が嫌いでした

多くの方と同じように、歯医者での受診が苦手で、痛いのはもちろん、ドリルの音や振動にも恐怖を感じます。歯科医師になるための実習では痛い思いもしましたし、皆さんの気持ちが自分のことのようによくわかります。なので、治療はできるだけ少ない回数で、なるべく痛くなく、できれば治療費も安くなどと考えるのを基本にしています。患者さまの「嫌だ、怖い」といった感情に配慮し、診療を進めていきたいです。

歯科医師を目指した理由

昔から人と触れ合うのが好きでしたので、リハビリテーションの仕事がしたかったんです。人の役に立つ仕事で社会貢献がしたいなと考えていました。大阪大学歯学部に入学した当時は「歯科医師でリハビリに携わることはできるのか」と悩んでいましたが、顎口腔機能治療学に出合ったことで歯科医師としての道に迷いはなくなりました口は「話す・食べる・呼吸する」と、生きていくために必要な機能を担っています。その全体的な機能を一連のものと捉えて研究していくのが顎口腔機能治療学です例えば、先天的な口蓋裂のお子さんは、手術後であっても「パ」や「バ」といった破裂音が発音しづらく不明瞭になってしまうので、発話トレーニングなどが必要です。また、食べ物を上手に飲み込めない状態である嚥下障害についても、さまざまな経験を積みました。
お子様からご年配の方まで、歯科医療を通して人の役に立つことができるよう努めています。

訪問歯科診療への想い

お呼びがかかるなら、できるだけ訪問診療に時間を割いていきたいと思っています。嚥下障害に悩む方は、通院できない高齢者がほとんど。さらに、明瞭に発音できず、日常会話がしにくかったり、、構音障害は脳卒中や頭部外傷の方は電話ではコミュニケーションが取りづらく、こちらも訪問診療が必要です。「人の役に立ちたい」と歯科医師を志しましたので、その想いが嚥下障害と構音障害の訪問診療につながっています。

医療連携について

時代の流れでもありますが、歯科だけで完結するのではなく、医科と歯科、介護がしっかりと連携していくことが重要だと考えています。それぞれの専門性を生かしながら、患者さん一人ひとりに合った医療サービスを提供していくことが大切です。医科の先生や介護スタッフと共に長く訪問診療に力を注いできましたが、もっと患者さん主体の医療を展開していかなければならないと感じています。
例えば、嚥下障害ではうまく食べられない状態になりますが、患者さんはどの病院に行けばいいかわからないと思うんです。というのも、「食べる」というプロセスは、食べ物を認知して、食べたいなと思う情動が起こり、手を動かして口に食べ物を入れますよね。そして、食べ物がこぼれ落ちないように唇を閉じて、口を動かして咀嚼します。最後に、喉の筋肉をスムーズに動かして飲み込んでいきますが、今お話ししたように意外と複雑なんです。認知症で食べ物と認知できない場合や、脳卒中や頭部外傷で運動機能に問題がある場合もあります。患者さんがどのプロセスに障害が起こっているかがわかれば良いのですが、そうでなければ行き先に困ってしまいます。

嚥下障害への対応について

咀嚼や舌や喉の動きをスムーズに連動させることにトラブルがある場合、専用の器具を使ったり、ストローを使ったりと、ベッドの上でも改善に向けたトレーニングを積んでいきます。また、終末期の患者さんが主治医から「肺炎を起こすから、食べたら駄目」と言われていても、ご家族は「最後にひと口でも好きなものを食べてほしい」と思うことってありますよね。そのような場合、歯科医師が唾液の飲み方など口の機能を再度確認し、アドバイスすることもあります。医師と看護師が同席した上で、ほんの少量だけ味わってもらった時、これこそが、本当の連携かなと感じます。従来の歯科は生命に関わることはほとんどなく、生活に即した医療でしたが、少しずつ変化していると感じています。

頼りになる歯科衛生士

歯科にとって一番大事なのは、予防です。私が歯科医師なのに「歯医者が苦手」だからこそ、そう思うんです(笑)。実際に、子どもの頃から予防をしっかりしていれば、年齢を経ても虫歯の罹患率は低くなるはずです。残っている歯の本数が多い高齢者は健康な方が多いということもわかってきています。患者さんには虫歯や歯周病が進行する前に対処できるように、定期的に歯石除去やクリーニングなどのメンテナンスに来るようにお願いしています。当院では歯科衛生士が丁寧にメンテナンスに当たっているので、気持ちよくメンテナンスできると思います。

今後のビジョンについて

治療に関する最新の知見やテクニックを身につけているからこそ、予防も行うことができると思います。これからも先進の医療技術や知識をアップデートしながら、痛みや症状に困っている方々をサポートしていきたいです。スタッフ全員でより良い医療を届けられるよう努めています。